母がおかしくなった話②~手術後の医者不信~
さて、母は乳がんの手術後の治療方針を決める診察の時点で、お医者さんの事も薬剤師さんの事も看護師さんの事も一切信じていませんでした。
それは何故なんでしょうか。
スマホで音声検索
母は少し前にスマホの音声入力を覚えました。
とりあえず曲名を喋ればyoutubeが出てくるから曲が聞ける、くらいの使い方です。
そして手術後、得意の音声検索で乳がんについて調べ始めました。
そもそも音声検索によって出てくる情報が何なのかわかっていない可能性があります。。
もしかして辞書かなんかだと思っている可能性も・・・。
インターネットは誰でも発信出来る事を知らないので、自分が見ている情報が嘘か本当かもわからないまま、母は乳がんのネガティブな情報をインプットし続けていました。
その結果、『インターネットは信じるがお医者さんは信じられない』という状態に・・・。
何度も、インターネットは医者でもなんでもない素人が書いてるかもしれないんだ、といっても一切聞かないんですよね~。
突拍子もない事を言って、それお医者さんが言ったの?と聞くとインターネットに書いてあったと・・・。
一度信じ込んだ物を覆すのってどうしたら良いのか、未だにわかっていません。
医者が信じられないから病院を変えたい
手術は素直に受けた母ですが、手術後からインターネットを見たせいで医者不信が始まりました。
抗がん剤治療もどうせ死ぬならやりたくないと言っていた母を(妹もお母さんがやりたくないならしょうがないね・・・とか言うアホ)、どうにか説得して手術してくれた病院で受ける事に同意させました。
抗がん剤のイメージといえば「吐き気」「毛が抜ける」といったものがありますので、体が辛くなるのが嫌なのか、毛が抜けるのが嫌なのかと思っていましたが、聞くと「効かないからやりたくない」「どうせ治らないから」「転移することが100%決まっているから」といった理由でした。
そんなに治らないと思ってるなら手術も受けるなや・・・大事な医療費使ってさぁとは思いましたが口には出せませんでした。
しかし母はこちらが強く言うと割と言う事を聞く性分なため、抗がん剤を受けさせる事は出来ました。
しかも何故か、病院では大人しくしてるんですよ。
ちゃんと予約の時間に行って大人しく点滴されて帰る。
点滴の中身を疑う事はしないのに、しょっちゅう「あの医者は信じられない、嘘をついてる」と言うのはどういう心理なんだろう?
しかも言ってるうちにヒートアップして「あの医者は金儲けの事しか考えてない」とか言い出して、父も鵜呑みにして「とんでもねぇ医者だ、そんな病院行くな」とか言うし、我が親ながら本当に情けなくて恥ずかしいです。
そしてとうとう「医者が信じられないから病院を変えたい」と言い出しました。
自分で病院を調べて電話して転院出来るか聞いて、紹介状があれば良いという事だったので主治医に申し出ました。
近年稀にみる行動力です。いつもは「こうすればいい」とか「ああしろ」とアドバイスしても全く動きません。
で、主治医としては、この時すでに母が心配性(頭おかしい)とわかっているので、優しく「そちらの病院に同じ種類の抗がん剤があるかわかりませんよ、最後までここでやった方が良いですよ」と言ってくれて、何故かそれにはあっさり頷いて「先生の所でやりたいです、お願いします」と言っていました。
いや、なんなん?
あんなに信用できないとか言っといて、お前の気持ちはそんなもんか?
抗がん剤から放射線治療に移行する時も転院するしないの同じやり取りをして、心底呆れました。
結局言いくるめられて転院しないんだから最初から言うなよと。
ただ、放射線治療が終わってからは3ヶ月に1回の検査があるので、それは少し家から近い病院に変える事にしました。
果たして、病院を変えた事で医者を信用できるのか・・・。
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