母がおかしくなった話③~5月、最初の検査~
「医者が信じられない」と度々言いながらも抗がん剤と放射線治療をやっていた時は、今思うと比較的落ち着いていたかもしれません。
放射線治療の時は自分が忙しくてほとんど付き添わなかったのですが、特に母から何か連絡が来ることはなく、ちゃんと最後まで通っていました。
それが変わったのが2023年5月頃でした。
この月は、放射線治療が終わってから初めての検査のあった月です。
どうやらこの頃、抗がん剤治療の副作用である手足のしびれが出てきたようなんですね。
そうしたら元々おかしい頭がえらいことになりました。
毎日余命を聞いてくる
元々そんなに連絡とる方ではなく、半年電話しないなんてザラでしたが、なんとこの頃からほぼ毎日「ねぇ、本当は余命知ってるんでしょ?」「先生から聞いてるんでしょ?」と電話が来るようになりました。
どうやら手足のしびれがあるからガンが転移したと思い込んだ模様。
何度も何度も何度もそれは抗がん剤の副作用だと言って、「わかった、太郎を信じるよ」と言った次の日にはまた「余命いつなの?」と・・・。
毎日同じ事を聞いてくるから、これって忘れててとうとう認知症になったのかとも思いましたが病院の予約とかは忘れずに行けているのでどうも違うらしい。
しかも原付に乗れる元気はあるので、しびれてるとは言ってもそこまで深刻な物ではないと思っています。
歳取ればみんなあちこち痛みますしね。
5月の検査では、血液検査をして腫瘍マーカーの結果が問題無かったのでCTはやらないという事でした。
問題ないというのは、ほんの少し上がったけど許容範囲との事です。
上がり幅が大きければCTを撮るんだそうです。
母の解釈
要は検査の結果、転移はしていないので今の所問題なしという事ですね。
ですが、母の解釈はとんでもないものでした。
腫瘍マーカーの数値がほんの少し上がった=転移した!
↓
CTをしなかったのはもう手遅れだからだ!
↓
先生から余命を聞いてないという事は・・・
↓
息子が余命を聞いてるはず!!!!
えぇ・・・なんでそうなる・・・。
しかも勝手に「先生から自分に電話が来て余命を聞いてる」というストーリーが出来上がっていて、違うと訂正して、また聞かれる、以下永遠にループ・・・。
本当に永遠です。3ヶ月以上経った今もまだ終わっていませんので。
対 父と妹
さて、私に対してはすでに『余命を聞くマシーン』と化した母ですが、同居する父にはどうなのかと言うと、同じです!!
毎日毎日「痛い痛い」「余命知ってるんでしょ」と一度も病院に同行していない父に詰め寄っています。
父も父なんですけど、お母さんがそういうならそうなのかも・・・と押し負けてしまって、「自分は知らないから息子に聞け」と言っちゃうんです。
父にも何度も転移していない、余命は知らないと言ってるんですけどね・・・。
父が転移してない!と強く言ってくれればきっと引くはずなんですけど、「息子に聞け」と言われると「お父さんがこう言ってるから息子は知ってるに違いない」となって電話をかけてくるパターンです。
ついでに結婚して他県に住んでる妹も同じです。
「自分は知らないからお兄ちゃんに聞いて」と・・・。
いや、何度も説明してるのになんでそうなる・・・。
「転移してないから余命なんてない」と言ってくれれば良いだけじゃないのか。
家族ながら父と妹の考えが全くわかりません。
母の考えが一番わかりませんがね。
とりあえずの対処
元々事実を捻じ曲げて不幸ぶる母でしたが、さすがに連日の余命攻撃は参りました。
そこで私は考えました。
自分が末期がんであるソースは何かっつーとインターネットに書いてあったからと言ってるから、きっと暇があれば(つまりずっと)ネットで『乳がん 余命』とか『トリプルネガティブ 再発率』とか調べてるんだろうなと。
という事は、ネットできなければ良いのでは?
ネット全部出来ないのはLINEとかも出来なくなるので、とりあえずGoogleChromeをアンインストールしました。
母は自分でアプリを入れる事が出来ないので、これで変な情報を入れずに済むはず。
その時の私は希望に満ち溢れていました。
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