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母がおかしくなった話⑥~母の家出と救急車~

しばらくは母と父からの電話もなく、LINEは無視していましたので平穏でした。

妹からは「お母さんが病院に電話したら受付の人に『末期ガンですかね』って言われたらしい」だとか、「実家帰った方がいいかな」といった電話がありましたが、「放っておけ」とだけ言っていました。

妹よ冷静になれ。総合病院の受付の人が話聞いただけで「末期ガン」だなんて言うわけないだろ。

きっと母が「末期ガンです」とでも言って「え?末期ガンですか?」って聞き返されたとかのオチだと思われます。

そんなこんなで2023年9月、事件は起きました。

母が家出した

あれは夜勤明けでグースカ寝ていた時でした。

17時に父からの電話で起こされ「お母さんが14時に家を出て行って帰って来ない」と言われ、一瞬何が起きたかわかりませんでした。

ん?今17時という事は3時間しか経ってないやん・・・。

「今日は家に帰らないって出て行ったんだよ」と父は一生懸命話してくれますが、認知症患者の徘徊ではなく大人が自分の意志で出かけてるだけなんだから何をそんなに心配してるんだろうと正直思いました。

しかも「今日は帰らない」と本人が言ってるなら、明日には帰ってくるんじゃないの?

少し前にも母が父といたくないからホテルを取ってくれと言っていた事がありましたが、それを実行しただけの事のように思います。

まぁ、いつもガンの事ばっかり考えて楽しい事を一切しない母ですから、ホテルに泊まってリフレッシュするのも良いんじゃないですかね。

それでも父があまりにも心配するので、「明日の夕方まで帰って来なかったら捜索願い出せば?」と言っておきました。

父は私から母に連絡を取って欲しかったのかもしれませんが、面倒だし母が帰らなきゃいけない理由もないので、それしか言う事はなかったです。

ついでに妹にも言った方が良いかと言ってましたが、母が外泊する事を知らされてもどうしようもないから言うなと言っておきましたが、いてもたってもいられない父は妹にも報告するのでした・・・。

次の日、母救急車を呼ぶ

次の日には母が帰ったらしいLINEが来たので「だろうな」と思っていました。

そしていつも通り、そろそろコナンの時間だし夜ご飯でも食べようかと思っていた時、父から電話が。

「お母さんが骨折した」

えーなぜ?バイクで転んだ?てか本当に骨折なのか?等色々な疑問をぶつけましたが、父から有益な情報は得られず電話が切れました。

その後、救急隊員の方から電話があり、「息子さんですか?来るんですか?」と言われました。

どうやら家に救急車を呼んだらしく、父は付き添えないので私に連絡が来たようです。

しょうがないので病院の名前を聞き、支度をして向かいました(ごはんは食べそびれました)。

病院はたまたま私の家に近い所でしたから不幸中の幸いでした。

向かう途中、「本当に骨折なのか?」「構ってほしくて言ってるだけでは?」等疑っていましたが、実際左上腕部を骨折していました。

原付で転んだのではなく、スーパーに行って原付を停めた所で勝手にすっころんだようでした。

病院に着いた頃には全て終わっていて、結局腕を釣られた状態で、ガンの事もあるから主治医のいる病院の整形外科にかかってくれという事で帰らされました。

今すぐ手術は必要ないが、元々行ってる病院で手術の判断されるかもと看護師の人は言っていました。

いや、もしそれで手術するってなったら今回病院に来たのは一体なんだったのか・・・。

病院側も母が「ガンだガンだ」とうるさいのでここでは診られないと思ったんでしょうかね。

本人はすごく痛がって入院したがりましたが断られました。

放っといて治るくらい軽いものなら良いのですが。

母は結局何も変わっていなかった

骨折した母も母節全開でした。

まず、タクシーで帰るというので探してあげてる最中に、私に何も言わずに受付に「入院させてくれ」と言いに行く。

そして病院から出口に向かう時、荷物を「持てないんだけど」。

いやいやいや、もし入院出来るって言われて、タクシーも来ちゃったらどうするつもりなんだ。

あと荷物は「持って」だろ、とイライラしました。そもそもなんでそんなデカい荷物が必要なんだよ。

結局タクシーが捕まらず送っていくことにしたのですが、ずーっと「痛い痛い」「カロナール(痛み止め)効くのかな」と大騒ぎでした。

そして驚くべきことに、「精神は大丈夫だから抗うつ剤は飲まない」と言いつつ、「頭がおかしいのは脳に転移してるせいなんでしょ?」・・・。

も──────!!(怒)

お前が一番おかしいのは体じゃなくて頭だ!!

何回も「家族を信じます」だの「今まで自分が間違ってた」だの言ってたのは何だったんだ!?

いや、わかってたけどね、次の日に妹に「余命がなんだかんだ」と言ってたんだし。

でも構ってもらおうとして思ってもない事を平気で言うのが本当に腹立ちます。

抗うつ剤も飲んだら寝たきりになるとか言って、「寝たきりでいいじゃん暇なんだから」と言っても「お父さんの世話がある、家の事をしなきゃならない」と言い返すし、「お父さんの世話なんてしなくていい」と言っても「そんなわけにいかない」って、結局今の状況を変える気がないんですよ。

絶対に良くしようとは思っていない。

ガンの自分がかわいそう。余命が少ない自分がかわいそう。美味しいものを食べない自分がかわいそう。楽しい事をしない自分がかわいそう。お父さんの世話をする自分がかわいそうでえらい。

自分で自分をかわいそうな立場に置いておきたくて、家族にも同じように思ってほしい、扱ってほしいんだなっていうのが今日はよくわかりました。

結局今日もガンは転移してないって言ったのに全然納得しなかったですからね。

どうしてもガンでいたいんでしょう。

今日の母語録

料理しないと嘘をつく

「なぜ今日スーパーに行ったのか?昨日出かけたなら買って来てたのではないか?」の問いに対して

「食べ物がなかったから野菜を買ってきた」と答えた母。

でもその前に料理は全くしない、出来なくなった、いつも弁当を買っていると話していました。

じゃあなんで野菜買ったんだ・・・?てか料理するならするって言えばいいじゃん・・・。

なんでそんなどうでもいい嘘つくんだろうか。

そもそもいっつもその場のノリでなんでも答えるから結果的に嘘になる事が多すぎるんですよね。

なんでそんなに思ってもいない事を言うのか理解不能です。

喋る事を何も考えていないから、後でつじつまが合わなくても全然気にしないし。

本当に話すのストレスです。

自分の体の事はよくわかってる

母が「いつ病院に電話したらいいかわかんないんだよ」と言いました。

何のための電話か聞いた所、「体の痛みがひどくなった時」だそうで、痛みがひどければ末期ガンがひどくなった時だから入院するために電話するらしい・・・。

末期ガンがひどくなった時とは・・・。もう頭痛いです・・・。

体の痛み(痺れ)は抗がん剤の副作用だと言ってるのに、母はやっぱり末期がんの症状だと思い込んでます。

というかどこの世界に「もしもし?末期ガンだから入院します」なんて電話するやつがいるんだよ。

今までにも何度か病院に電話して検査してもらったり迷惑かけて。

定期検査してるんだから、抗がん剤の副作用でいちいち病院に行くんじゃねえって感じです。

どうやったら抗がん剤の副作用だと覚えてもらえるんですかね。

とりあえず定期検査があるんだから電話はするなと伝えましたが、「自分の体だから(末期ガンだって事は)よくわかってるんだよ!」って、どこにそんな自信があるんだよ全部間違ってるじゃねえかと言うと、「太郎はきつい」と被害者面です。

みんな励ましてくれてるのはわかってる

だーれも励ましてません。

そんな必要ないから。

でも本人の中では末期がんなので、家族や医者が「ガンじゃない、転移してない」というのを「励ましてくれてる」と変換しちゃってます。

願望を事実だと思い込んでる模様です。

「励ましてない」と言ってるのに、「ありがとうね」と全く会話が成り立ちません。

昔はみんな苦労したんだよ!しょうがないんだよ!

全く意味不明なんですが、「父に『ガンの事を教えろ』としつこく絡むな」とか「抗うつ剤を飲め」とか文句を言ったら急に言い出した言葉です。

何がしょうがなくて、苦労した話は何の関係があるのでしょうか。

全く何を言いたいのかわからないし向こうもこちらの言い分を1ミリもわからないみたいです。

父の反応

以前、私の事を信じられなくて母の言い分(末期ガン妄想)を信じた父ですが、何故か今日はこちら側でした。

毎日母に詰められて相当参ってるようですが、一緒にいるなと言っても聞かないので自業自得です。

母がちょっと外出したくらいで大騒ぎするんですから、父も母がいないとダメなんでしょう。

ちなみに母はケガしてるのは左手だけですが、右手でずっと左手を支えていて、右手も一切使う気がなさそうでした。

いや右手使えるんだから自分で出来る事は自分でやれやと思います。

以前だったら心配する気持ちもあったかもしれませんが、心配される為に「何も出来ない、何もわからない」「痛い痛い」とアピールばっかりする母は本当にうざいです。

父は諦めて看護するみたいですが、母は全然お願いする雰囲気じゃなかったですし・・・。

結局の所

救急病院から家に帰った母は、やってもらって当然とでも言うような態度で父に水を飲ませてもらっていました。

病院では私に対して言わなくても荷物持ってもらって当然という態度でしたし。

今まで無駄に家族に尽くす自分!他人に気を遣う自分!と事あるごとにアピールしていましたが、それに対しての労いを今度は求めているような感じがします。

家族に尽くしてえらいね、他人に気を遣ってえらいね、ガンでかわいそうだね、骨折して世界一大変だね、世界一かわいそうだね、とお姫様扱いを望んでるような。

そういう扱いをされたいが為に大げさに痛がったり、末期ガンだと言い張ったりすると考えると合点がいきます。

今までは父がなんでも母の言う事を鵜呑みにして甘やかしていましたが、物足りなくなって子供たちにも求めだしたのでしょうか。

そしてそれが現実だと思い込んで、家族みんなが自分の末期ガンをかわいそうだと思ってるはず!になっているのかも。

いや、『末期ガンならみんなが心配してくれるはず!体の痺れ(抗がん剤の副作用)があるから末期ガンに違いない、私ってなんてかわいそう!え?末期ガンじゃない?そんなわけない、こんなに痛いし(原付乗れる程度)私は末期ガン!余命だって残り少ないなんてドラマの主人公みたい!かわいそうな私はもっと労わられるべき!末期ガンでもお父さんのお世話をしちゃう健気なワタシ!かわいそうでしょ?健気でしょ?原付乗れるならそこまで痛くないだろうって?いたーい!!いたたたた・・・ほら痛そうでしょ!もっと病気で健気な私を見て!心配して!骨折までしちゃって痛々しいでしょ?これは心配せざるを得ないでしょ!!お世話させてあげてもいいよ!』って感じでしょうか。今までの母を見ていると。

心配されたがってるのが見え見えなので逆に心配する気持ちがなくなり、母は思ってる反応がもらえなくてストレスが溜まってもっとアピールしてきて、こっちはさらにイラついて絶対心配しないという悪循環が出来上がっています。

もっと謙虚なら心配して労わる気持ちも持てるというものなんですが・・・。

母自身は自分の態度が原因で望んでるような対応をしてもらえないと気づいていないので、願望・妄想を現実だと思い込んでいます。

みんなが自分のガンを毎日毎秒心配してる、励ましてくれるテイで話してくるので、統失にでもなったのかと不安になってしまいます。

「お母さんの事(転移していないから)心配してないよ、考えてないよ」と言葉で伝えても「心配してくれてありがとう、励ましてくれてありがとう」です。

「ありがとう」と言いつつ、「ガンじゃない、いいかげんにしろ」と言うと怒るようになってきたし・・・。

かといって母に寄り添っても調子に乗るだけで、ただただ痛い、末期ガンだ転移してるんだと意味のない同じ話を繰り返されるのも苦痛です。

一度、「末期ガンで余命わずかだったらどうするの?好きな事するの?」と聞いた事があります。

その質問にはう~んとか言葉にならない声を出して答えませんでした。

虚空をうつろな目で見るだけ。

どうせ死ぬつもりなら後悔ないように生きるというならわかるし応援します。

ただ心配されて構われるのが目的なら本当勘弁してほしいものです。

私はもうほとほと母には愛想が尽きかけていますので、なるべくかかわらない方向でいきたいです・・・。